【かぎ針編み】『引き抜き編み』について考える
こんにちは!
ニット・サークル『QUINIENTOS(キニエントス)』のアミです。
久々の「○○について考える」コーナーです(笑)
初心者の方にレッスンをしていてなかなか伝わらないのが、『段の最後の引き抜き編みを引き抜く場所』です。
そもそも、編み地で実際に作業する場所と編み図に表記されている場所が、全然違うので、仕方がないのですが。。
段の最後の引き抜き編みの場所は、こま編みで円編みをした場合、段の最後の引き抜き編みは、その段の最初のこま編みの頭になります。
そして下図は(↑とは目数が全く違いますが)、同じこま編みの円編みを指示している編み図です。(手書きでスミマセン。。)
一般的な編み図だと、引き抜き編み記号(黒豆みたいなやつ)は、上図のように鎖編み記号の右わきに表されますが、実際に作業する場所は赤い部分なので、本当はココにあって欲しいわけです(笑)
…戸惑いますよね。
ルールとして覚えてしまえばどうってことないのですが。
でも、こういう表記にしてるのには、ちゃんとした理由があるはずで、それが分かれば、自分で引き抜く場所を導き出せるようになると思うんです!
そう思ってネットでいろいろ調べてみたものの、この表記に至った理由が書いてある情報サイトを見つけられなかったため、まずは引き抜き編みをする場面を想像してみました。
圧倒的に思い浮かぶのが、さきほどの図のような段の編み終わりですよね。
円編みの編み図は、立ち上がりをつける編み方の場合、当然ですが一段ずつ分かれて表記されます。
以下は毛糸ピエロさんの編み図ですが、立ち上がりのある円編みで、点線で1段1段区切られているのが分かります。
この場合、もし段の最後の引き抜き編み記号が、さっきの図の赤印のような場所にあると、理屈が通らなくなります。
既に編み終わっている1段目の最初の編み目に、段の最後の指示を入れていることになるからです…(ややこしい)
なので、「これはこの段の最後にする作業ですよ」という表記にするには、立ち上がりの鎖編み記号(=段の一番最初の作業)のすぐ手前に表記するしかなかったのかな、と(※あくまでも想像です)。
しかもこれ、編み上がってみると立ち上がりの目の筋が編み図の黒丸のある部分にちゃんと現れるので…決して間違ってはないわけです(笑)
編み図が、完成図を表してるものである以上、完成した状態で完全なものになっているのは、まぁ当然といえますよね…(^^;)
ふむ。理屈は分かった。
では実際に編んでる時に判断するにはどうすればいいのか?
まず、かぎ針編みの円編みの絶対ルールとして、
- 前段の引き抜き編みの目は編まない
- 段の最後の引き抜き編みは、その段の最初のこま編みの頭に引き抜く
この2点があります。
これは絶対、絶対、守らないとおかしくなります!
段の最後に来たときにうっかり編んでしまうのが、前段の引き抜き編みの目です。
まるで若き冒険者たちの命を奪い続ける呪われた地のように、初心者の皆さんを引きずり込んでいきます…
そこで、段の最後の引き抜き編みの目に目印をつけることをオススメします!
段の最後の引き抜き編みをしたら、その目に、安全ピンでも段マーカー、糸端でもなんでもいいので、印をつけておくんです。
下図は日本ヴォーグ社の『かんたん!わかりやすい!かぎ針編みの基礎』からのイラストですが、一番左の赤い目が「段の最初のこま編みの頭」なので、ここに引き抜き編みをします。
このイラストだと、前段の引き抜き編みの目は黄色の部分になりますが、ここにピンやマーカーが付いていれば、「ここは編んじゃダメな目だ」と判断できます^^
そして、黄色の目から続いているピンクの目は「立ち上がりの鎖編み」、その次が「こま編みの頭」なので、ココに針を入れて引き抜けばいいということになります!
いかがでしたでしょうか?
段の最後の引き抜き編みについては、私も実は最近までよく間違えていました…(^^;)
非常に間違いやすい部分ですが、↑の絶対ルールのもと、ピンやマーカーを付け替えしながら進めていけば間違えることはなくなります。
そして不安な間は、段を編み終わってから必ず目数を数えて、数があっているか確認してくださいね。
数えるときには最後の引き抜き編みをする前に、段の最初のこま編みから引き抜き編みの手前の目までを数えます。引き抜き編みをしてしまうと、どこが最初で最後か分からなくなってしまうので…引き抜き前がオススメですよ。
以上、「引き抜き編み」について考えてみました。
かぎ針編み初心者の方の、助けになれば幸いです^^
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